
Jatropha (ヤトロファ)
Jatropha curcas
学 名 : ジャトロファ・クルカス
科 目 : 熱帯アメリカ原産のトウダイグサ科 落葉低木
生息地域 : 南米大陸、東南アジア、アフリカ大陸 (高温多湿の熱帯低地)
樹 高 : 3m 〜 8m
果 実 : 3〜 4.5cm 種子に約50% の油を含む
寿 命 : 約50 年
▼ 概 要 ▼
トウダイグサ科の中南米原産の落葉低木。学名からの呼称はジャトロファ、ヤトロファなどで、 (ヤトロファで統一)。16世紀以降、スペイン商人などの手により世界中に伝播したと考えられています。やせた土地でも成長が早く、旱魃や病気に強い植物です。また、種子は毒性が強いですが、油分に極めて富むことから、古くから利用されています。1ヘクタールあたり5トン程度の種子が収穫できるため、バイオ燃料の原料としても非常に脚光を浴びており、石油メジャーもこぞってアフリカやアジアにヤトロファ生産を開始しています。また、大豆やトウモロコシと違い非食用であり食物価格の高騰に直接影響しにくい点もヤトロファが注目を集める要因です。

ヤトロファは他のBDF植物と比べ、豊潤な油分を含んでおります。これは大豆の5倍、菜種の3倍の割合です。又、同様に燃料効率の良いヤシが収穫までに7年を要するにもかかわらず、ヤトロファは3年で収穫が可能です。毒性が強く食用ではない為、とうもろこし・エタノールでおこったような価格競争の影響を受けることが少ない植物として、数あるバイオ燃料の中で、最も期待のできる植物として注目を集めています。
▼バイオディーゼル燃料(BDF)としての魅力
@ ヤトロファの種子の可能収穫量は1ha=5トン/年、
BDFは1ha=1.75トン/年が採取可能。
A ヤトロファは非常に搾油率が高く、パームよりは劣るものの、大豆の約5倍、
菜種の約3倍もの油が採取可能。
B 世界的にBDF市場が急成長しており、現在ヤトロファも10カ国以上で
大規模な育成開始。
▼非食用作物(作物価格高騰を避けられる)としての魅力
@ 食用油と競合しないため、価格が安価、安定。成長も早く、安定して育つ。
A 油分含有量が多く、油の品質がよい。
B 荒地でも育ち成長が安定しているため、農薬、肥料等の資源投資が小額で可能。
C 害虫や乾燥にも強く、食物育成に適さない土壌でも育成が可能。
▼環境問題・緑化効果
@ 干ばつや害虫に強く、年間降水量400mm以下、緯度25度内で生育可能。
やせてしまった土壌にも植樹することが可能。また植樹も挿し木で可能。
A 干ばつや砂漠化の進む地域でも生育可能なため、緑化事業としても力を発揮する。
B 発展途上国の農村民達の新たな収入源となることも期待。
▼世界のヤトロファに対する動き
実際に多くの企業や国がヤトロファに対して動いています。
・ドイツのメルセデス・ベンツ社が2億ドルをヤトロファ事業に投資。
・イギリス最大手の石油会社イギリス石油(BP オイル)が1億ドルの投資。
・フィリピンのアロヨ政権は現在の全燃料に対し一定割合のBDF導入を義務化。
・中国海洋石油など国内外の52 社が総額124 億ドルでインドネシアでBDF事業開始。
・インドネシアに対するヤトロファを軸とした環境関連の国内外投資は2 兆円以上。
・SEエナジー・テクノロジー(米)はヤトロファ向けに国内最大のBDF工場を建設。
・インドでは政府所有の土地50 万ha をヤトロファ栽培に利用。
(※今後1200 万ha に拡大予定!!)
これらは排出権取引の活性化や、環境に対するリテラシーの向上、、
環境ビジネスの市場規模やBDF需要の拡大が見込まれるとされています。
▼環境ビジネス以外でのヤトロファ
ヤトロファはその毒性から害虫の駆除に利用されたり、油分が多いところから戦前に日本軍が研究したり栽培を検討したりしていました。
また現在も石鹸の材料として使用されています。油分を絞りとった後の残りかすも有機肥料として使用が可能です。インドネシアでは腹痛の際に腹部に葉を当てたり、歯痛の際には樹液を患部に塗るといった民間療法もあります。
油分・毒性等、耐性、薬用など、何かと注目を集める植物です。